家族のことを大切に思っている。
だからこそ、
「それは危ないんじゃない?」
「そんなふうに考えなくてもいいのに」
「こうしたほうが、あなたのためだよ」
と言いたくなることがあります。
きっとそこには、愛があるんです。
相手に傷ついてほしくない。
失敗してほしくない。
少しでも楽になってほしい。
でも、その愛が相手にちゃんと伝わっているかというと、そうとは限らないのかもしれません。
私は「間」というものを、とても大切にしたいと思うようになりました。
「間」を大切にするということ
私の憧れの女優さんの一人に、松坂慶子さんがいます。
ドラマの中では、きびっとしたお母さんを演じられたり、美しく強い女性を演じられたりします。
でも、インタビューなどでお話しされている松坂慶子さんを見ていると、とても「間」があるんです。
相手が話し終わるまで待つ。
そして、その言葉を一度自分の中に受け取ってから、言葉を選ぶようにゆっくりと返す。
私は、あのお話の仕方にとても憧れています。
というのも、私は娘からよく、
「ママは、かぶせてくる」
と言われていたからです。
相手がまだ話し終わっていないのに、
「でもさ」
「もっとこう捉えたらいいのに」
と、言葉をかぶせてしまう。
私としては、否定しているつもりなんてありませんでした。
むしろ逆です。
大切だから。
心配だから。
少しでも楽になってほしいから。
良かれと思って伝えていたんです。
でも相手からすると、
「否定された」
「私の気持ちを分かってもらえなかった」
と感じる瞬間だったのかもしれません。
愛がなかったわけではない。
ちゃんと愛していた。
ただ、その愛が相手に届く前に、私の言葉が入ってしまっていたのかもしれません。
もし、そこにほんの少し「間」があったら。
相手が話し終わるまで待つ。
すぐに答えを返さず、一度その言葉を自分の中に受け取る。
そして、
「あなたは、そう思っているんだね」
と、まずその人の気持ちを受け止める。
それだけで相手は、
「この人は、私の話を聞いてくれている」
「私の気持ちを受け取ってくれている」
と感じられるのかもしれません。
もちろん、相手の言うことをすべて、
「正しいよ」
「それでいいよ」
と認めることとは違います。
意見が違うこともある。
「それは危ない」と思うことだってある。
それでも、その言葉を伝える前に、相手の思いを最後まで聞くことはできる。
もしかしたら、
心の器とは、相手の思いを最後まで聞き切る器なのかもしれません。
そして、もう一つ大切にしたいのが、笑顔です。
無理につくる笑顔ではなく、
「あなたの言葉を、ちゃんと受け取っていますよ」
という、柔らかな笑顔。
私もまだまだ練習中です。
つい言いたくなることもあるし、
「でもね」と言葉を挟みたくなることもあります。
そんなときこそ、ほんの少し「間」を置いてみる。
言葉を急がない。
答えを急がない。
相手を変えようと急がない。
「間」は、何もしていない時間ではなく、
相手の心を受け取っている時間。
家族への愛は、きっともうそこにある。
だからこそ、その愛がちゃんと届くように。
私も、松坂慶子さんのような柔らかな「間」を持つ女性になりたいと思っています。
